今日のK先生との診察が、済生会中央病院での最後の診察。先生は今月末で亀田京橋クリニックに転院する。それに私もついていく。


犬は人になつく。猫は家にいつく。

患者は医師についていく。

そんな言葉を作ってみたくなる。


「こないだリュープリンを打ったけど、どうだった?何か副作用とか…」

久しぶりに会ったK先生。

よく聞く副作用が、ホットフラッシュだけど幸いにもそれはない。ただ…お腹や背中がとっても痒い!
赤い発疹みたいなのもできる。夜中、気づくと体をかきむしっている。


「先生、蕁麻疹ができまして。すごくかゆいです」
「うーん、薬に入っているもので、たまにアレルギーになる人がいるんだよね。次は9月に打つから、またなったら1ヶ月製剤に変えようか」


1ヶ月おきに注射を打ちに行くのはとてもめんどくさい。そんなことを内心思いながら「はい」と返答。


「たまに更年期障害みたいになる人もいるんだけど、ならなかったんだね」
「そうなんですよー!大丈夫でした!ところで、生理が来ちゃったんですけど、いつから止まるんですか?」

逃れられないと思っていた副作用。急に浮かれた気持ちが湧いてくる。


「今月来たら、来月はこないね。副作用は、今から2、3週間後に始まるかな?」


ビックリである。ま、まだだったのかぁー!
えーーー、っていう私の顔を見て、「あ、ならない人の方が多いから」とあわてて先生はフォロー。


ちょっとショックな出来事だった。


薬のきき方、なんかは本当に患者には知識が無い。先生、忙しいのはわかるけど、もうちょっと丁寧にお願いします。



「他には?」って聞かれて気を取り直す。
「リュープリンが高くてすっごくビックリしたんですけど、保険がきいてあの値段なんですか?」


注射1本で驚異の2万越え。がん治療の厳しさを実感した出来事だった。


「そうなんだよ、保険はきいてるんだ。まだ後発薬が開発されてなくて。それでその値段なんだよ。ちなみに…1ヶ月製剤に変えると、もう少し高くなる」


かゆみと戦う決心が改めてつく。これ以上はきつい。


聞きたいことは聞けて、京橋亀田病院の紹介状をもらって。サクサクと事は進んでいく。次に先生に会うのは9月。


少し、涼しくなっている頃かな。

放射線治療も終わって、私はどんな私になっているだろ。

乳がんのこと、少し忘れるようになっているかも。


どんなことをしているのかは、まだ想像ができないけど、明るい顔で過ごせているといい。

もらった命、せっかくだから楽しめているといい。