パーソナルコーチ「はる」の、乳ガンとともに生きる日々

コーチが「がん」になったらどう変わっていくんだろう?

ニックネーム はる
名前 北條良子(ほうじょうりょうこ)
職業 パーソナルコーチ、研修講師。
資格 米国CTI認定 Certified Professional Co-Active Coach (CPCC)
HP  http://ryo-ko.net


2014年1月に乳がん告知を受け、4月に温存手術を受けました。現在はホルモン治療中です。癌告知をされた時は、やっぱり頭に死がよぎりました。元気になったいま、残された命を、同じように病気で悩んでいる人のために使うことを決めました。

あなたは乳がんを経験して、これからどう生きたいですか?
コーチングという対話を使って、自分の中の答えを見つけませんか?

神奈川県在住。小学生男児、1児の母。




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カテゴリ: 手術までの道のり

大学病院の2日後、私は二子玉川ブレストクリニックにいた。MRIの結果をCDRで持参して。この病院のH先生が、私に乳がんの告知をした人だ。

去年の12/17、風邪をひいて胸が痛かった私は、何気なく左脇をマッサージしていた。その時、コリっとしたものが手にあたる。

驚いて右脇をさわったけど、「こっちには無い…」
1日だけ「気のせい」と知らんぷりしたけど、やっぱり消えない不安。「しこりの9割は良性というし」とネット情報をお守りにして診察を受けた12/25のクリスマス。

マンモとエコーを受けてカーテンの陰で触診を待ってると、看護婦がバックオフィスに「検体出まーす」と言ってるのが、聞こえてきた。その時、「これはヤバイんだ」とわかったんである。

その後は予想どおり先生から「はるさん、このしこりは癌の特徴を兼ね備えてるから覚悟した方がいい」と早速軽めの告知を受け、針生検。(ちなみに麻酔をするから全く痛くなかった)

急展開にヨロヨロしつつも、「今、癌の告知はこんなに軽いのか〜!ドラマと全然違う」ってことに妙に関心。


その後、正式告知を経て、このクリニックからガン細胞の詳しい検査をしてもらいつつ、手術はしてないからとS大学病院を紹介してもらった。今日は会うたびに「心配なことがあったら相談しに来て」と言ってくれたH先生に会いに来たのだ。

ほんの2、3日前のことなのに思い出すと恥ずかしいが、かなり勢い混んでH先生にS大学病院でのことを話したとおもう。先生は結構困ったと思うけど、「さすががん研だよね、丁寧に見てくれて。MRIは(悪性じゃないものも)拾いすぎることがあるから、まだわからないよ。僕がみる限り、つながっている様子は無いと思う…ただ…あるとしたら、できやすい人はいるから、2つ目の癌、ということはあるかもしれない」と。そして、「僕も、最初の癌以外は見つけられなかったもんね、ゴメンね」って、、、

そのとき、この言葉が心の中で響いて、ささくれていた気持ちが少し癒されたような感覚が生まれた。つまり「私、S大学病院に謝ってもらいたかったんだな〜」と実感。言ってくれなかったから、誤魔化されたから、よけいに傷ついたんだなあ、と。誠実であること、私はお医者さんにそれを求めているんだなあ…

5mmは小さすぎるから、マンモやエコーでは見つけきれないのはよくわかってる。先生、謝ってくれてホントにありがとう。


その後、H先生からも温存を望むのであれば、K総合病院はいい、と推薦され、転院の可能性も含めて、改めて前向きに検査に行くことに。

先生は、転院するならK総合病院のF先生に、早く手術してもらえるようメールしてあげるから、とも言ってくれて…

ちなみに、この日初めて夫と病院に行った。
初診→告知→セカンド・オピニオンと、今まで全て1人でやってきた。付き合って6年、結婚して10年。優しいオトコの彼が「仕事が忙しい」って言うんなら、そうなんだろうと。甘えベタの長女気質の自分が憎い。昨日、とうとう弱音を吐いてみた。
初めて同伴した彼は、「お医者さんの主観でずいぶん変わるんだね〜。もっとパシッていってもらえるのかと思っていたよ」と。

そう、わたし、それにいろいろ振り回されてるの。
「癌になったら、生活が癌中心に回るようになる」ってある闘病記に書いてあったけど、まさしく実感中な毎日だ。




S大学病院のN先生は、私とは合わなかった。でも何から何までイヤ、っていうワケじゃない。

「俺は良性だと思うけどね!」
新しい5mmのしこりについて、彼が言った言葉。

「!」
この言葉だけでスーッと気持ちが楽になる。
別にこれはただの推測で、科学的根拠に基づいたことじゃない。ただの気休めだ。だって「なぜそう思うのか」と食い下がった私に、「えー、……じゃあ正直に言っていい?」って説明したのが、以下の言葉。

「俺たち医者がね、新人の時、みんな習うの。検査前は良性じゃないですかって言おう、ってさ。だってわかってから悩んだらいいじゃない。わかんないうちから悩むとつらいよね。」

がっかりしたけど、だからっていい加減とは思わない。
私たち癌患者は、めっちゃくちゃ不安だ。今も不安だし、手術も不安。終わったら再発が不安。ずーっと不安が続く。他の癌患者ブログを読んで、安定剤を飲みながら治療する人がなんて多いんだろう、と思ったことか。N先生が言うように、この先いくらでも悩むんだから、少しでも悩む時間が短い方がいい。

このやりとりの1点だけ、私が先生の人間らしさを感じて好きなエピソードなのだ。

*「N先生」は、あくまで仮名(仮イニシャル?)です。

*こんな記事書いてたら、みんな心配してくれますが、意外に元気です。
画像1

上半身が裸の私の周りに、大の大人が3人も集まってる。検査技師2人と主治医が眉根を寄せ、目をこらしている。新しく見つかった4,5mmのしこりが、どこにあるのかわからないのだ。

「ニプルと同じ高さにあるはずだよ」と主治医。
「これかな~・・・というやつはあるんですけど」まだ20代かな、かわいらしい女性検査技師が言う。

画面には小さな丸いしこりがうつっている。
「ちょっと指でつぶしてみてよ」という主治医の指示に、どうしてよいのかわからないのか、技師がオズオズと肉をつまむ。
「うーん、つぶれないね~。色はのる?」
パッと画面が切り替わって、しこりの下部に赤い色がうつる。
「少しだけど色があるから、やっぱり血流が集まってるのかなあ・・・」


(アア、イッタイナニガオコッテイルンダロウ・・・)


「はるさん、どうする?これ針で刺して帰る?」
「はあ・・・」突然ボールを投げられても。
「これで癌が出たらいいけどさあ、問題は出なかった時で。出なかったらこのしこりがMRIに映ってたやつか確信が持てないから、またMRIをやって、MRIやりながら針で刺す、って方法になんのね」

つまり、時間がかかるってこと。それにしても、「癌が出たらいいけど」って言い方がすごく引っかかる。

「最初からMRIやりながらでお願いします」
「だよね~、でもさ、これ保険適用外で10万円くらいするけどいい?」
10万円はイタイ!正直、ここまで検査で万札が何枚か飛んで行っている・・・でもいいも何も、やらなきゃ始まらない。
「・・・わかりました。大丈夫です。」

主治医の説明だと、これは先端医療にあたるので保険適用外、しかもS大学病院でやるとその後の手術も保険適用外になるのだという。なので新しく京橋にある「K総合病院」に行くよう提案され。

「K総合病院はさあ、日本で数少ない『乳がんを内視鏡で手術』をする病院で、乳房温存とか再建に力を入れてるんだよね。検査に行ってちょっとそこの先生に相談してみなよ。本院は千葉の鴨川にあって遠いんだけど、手術はそこでやって、後の治療は東京の分院でやってくれるよ」とのこと。


千葉の鴨川って地名に聞き覚えがある。昔、TV東京の経済番組で特集を組まれていた病院があった。富裕層を相手にした、かなり豪華な施設とホテルのようなサービス。うちはけっして金持ちじゃない。でも、温存できる可能性があるなら・・・


エコーで良性であることが確認できれば、明るい気持ちで帰れたのに・・・・
しょんぼり下を向きながら着替えてくると、検査技師の女の子たちの会話が聞こえてくる。

「もお~、はまっちゃったよ。なかなか見つからなくて。」

私のこと言ってるんだ。時間かけちゃってごめんね・・・でも・・・・・・ホント人ごとなんだね。

検査技師の女の子たちに、怒りも悲しみも感じなかったけど、この大学病院との心の距離の遠さを改めて実感する。私、この病院で手術しても、その後ずっと「ホントにこれで良かったの?」と問い続ける一生になりそう。
やっぱり「この人になら」と思える先生に会いたい。自分にとって最悪の結果も「この人に言われるなら納得する」と思える人と。私、この病院にちっとも響いていない。

幸いなことに、私の癌はゆっくり成長するタイプだ。粘ってみようと思う。自分の選択肢が見つかるまで。















*2/26の大学病院でのやりとりを改めて詳しく書いてます。


人は医者に何を求めるだろう?
知識、経験、判断力…他には…?

東急沿線の巨大なビル。今日はセカンド・オピニオンの結果を持ってS大学病院に戻ってきた。

13:45に受付したのに、診察室に呼ばれたのは15時過ぎ。会社を早退してきたけど、もっと遅くて良かったね…ウトウトしてしまったころに呼ばれてしまった。慌てて診察室へ。

主治医のN先生は、とにかく明るくて、そして声がでかい。いつも診察室の外に会話が聞こえている。そんな彼が今日は厳しい顔。

「お久しぶりです」
「お久しぶりです。これだよね、もう一個!二個はねぇ、キレイに取れないから、全摘になるんだよね。中をくり抜くしかない!」

(イキナリですか…知ってます、ネットで見ました、二個あると全摘になるって。)

「まずはエコーで見て、これだと思ったら針で取ろう!」
「あのー…その前に、率直に聞いていいですか?」
「どうぞ」
「本当に率直に聞きますよ」
「はい」
「……なんでMRIが終わった時に、最初にもう一つあるってわからなかったんでしょ?」

最初の攻撃は私から。二回、前置きしたのは、やっぱり聞きにくい気持ちがあったから。でもここがハッキリしないと、私、あなたに身を任せられない。

「え?わかってましたよ?」
唐突なカウンターパンチ。驚愕。私、あなたの口から「転移は無かった」って聞きましたけど。

ほら、といって見せられたPCの画面。そこに放射線医の所見が。『左脇ちかくに8mm大のリングがあり、これがすでに知られたセンターと考えられる。その他に左乳房、外縁に4mm大のリングがあり………』

静かに反撃してみる。
「だったら最初に言ってくれたら良かったじゃないですか」
「だから、癌がどうかわからないから、がん研に持って行って、見てもらおうということでしょ」
結構強い口調。

「……わかりました。」
がん研はオマエの上司か!って言葉をゴクリの飲み込む。医療の知識が無い自分が悔しい。

2/6にMRIの結果を聞きに行った際、確かに「転移は無かった」って聞いた。そのまま入れられそうになった手術の予約。大学病院は分業制。まだ私の胸を直接見たことも無い先生に切られるのね。当時はベルトコンベアーに乗って、手術台に運ばれていく幻覚が見えそうで。

そのまま予約を入れようか一瞬迷ったけど、友人たちのアドバイスに従って、セカンド・オピニオンを入れて本当に良かった。

「じゃあ、エコーをするでいいですね」
「はい」

返事はしながらも、ここで手術はしないと、心の中で決めつつあった…

今日はファースト・オピニオンの大学病院へ。

疲労困憊しているので結論だけ言うと、新しい5mmの腫瘍はエコーで感知できず、もう一回MRIとマンモトーム生検をすることに。閉所恐怖症で注射恐怖症の私。苦行×苦行…ふー…


よく癌かどうかわからなくて、ずーっと検査が続くブログや闘病記があるけど、全く人のこと言えないわ!

気持ちの上では全摘が視野に入ってきたので、結構不安定。再建するかどうか情報を集めないと…と思いつつ、ネットで乳房再建した人、しなかった人、それぞれの画像や感想を見て、涙。

今日、先生に聞いてみたけど、「こればっかりは人の意見は聞かない方がいい。ハタチでおっぱい無くなってスッキリした!っていう人もいたら、80でも絶対ヤダって人もいる」だって。個人の価値観の問題ですよね、至極ごもっとも。でもグルグルしちゃいます…

そして、やっぱり転院を考えてます。

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