久しぶりの済世会中央病院。久しぶりの東京タワー。


手術後3週間、退院後2週間が経って、健診の日がやってきた。
病理検査の結果も出ているはず。果たして抗がん剤をするのか・・・胸がドキドキする。


途中、病院脇の有名なパン屋さんで、クロワッサンやアップルパイを購入。病室のみんなで文鳥みたいに並んで、病室の窓から指をくわえて眺めたパンたち。


陽光が差し込む新館の3番窓口が乳腺外科。15:30が予約だから、15:15には到着したけど、全く進む気配が無い。


また診察室の前で待つ。じりじりじりじり・・・途中受付にも訴える。18:00には出なきゃ。保育園のお迎えがある。



そして・・・・診察室に呼ばれたのは、17:40!2時間10分待ち。他の科は全て診療は終了している。広い待ちあい室はガランとして、乳腺外科の前にしか人はいない。

久しぶりにあったK先生はめずらしく眼鏡だった。
多くの人はそうだろうと思うけど、私も自分の主治医が大好きだ。「眼鏡の先生もかっこいいなあ」なんて思いながら椅子に座る。

「ごめんね待たせて」と最初に謝ってくれるK先生。

先生の診療は時間がかかるけど、それだけ丁寧に患者に説明するということ。さっきまで診察室のすぐ前で待機している時、前の患者さんと話している声が漏れ聞こえてた。MIRや手術の同意書という単語。先生が患者を元気づけ、励ましている言葉も。2カ月前の私と同じ。全ては必要なプロセスだ。だから先生のお詫びに、大丈夫です、と答える。


「えっと、まだ病理検査の結果を言ってなかったよね?」と話が切り出される。きた!っと少し緊張する。

「これを見て」と言って向けれたPCの画面。そこに映っていたのは・・・・私の癌細胞の写真だった。

それは黄色と黒のマーブル模様で。団子状だが、表面はでこぼこしている。見て気持ちいいもんじゃない。


「結果は良かったんだよ。」と笑顔でK先生は説明してくれる。その笑顔に安心感が広がる。

「癌は完全に取りきれたよ。リンパは5つ取ったんだけど、リンパ節への転移も無かった。大きさは1㎝×0.7㎝だったよ。グレード1といって、癌の顔つきもいい。ホルモン受容はあって、Her2はネガティブ。ホルモン治療が非常に効くタイプと言っていいね。ぼくたちはこのタイプはルミナールAと呼んでいる。おとなしい癌だし、まだ早期だから・・・治るよ。心配しないでね。」


「治るよ」って先生に何回も何回も言われて、本当にそういう気持ちになっている。刷り込みって大事だ。

抗がん剤は必要ない、と言うのでホッとする。傷口も今は肉がもりあがっているけど、いずれきれいになるということ。


「それより・・・」と言って、先生が私の腕を持ち上げる。「ここがピンと張っているのがわかるかい?」

ヒジの内側の筋を押さえられる。そこが突っ張って、あがらない腕。私が「小人がワイヤーをひっぱってる」って妄想しているところズバリだ。

「ちょっとあれをやってみようかな?」と言われて「うわ、マジですか!!」と思わずは大きな声を出してしまう。

「あれ」っていうのは・・・退院の日にされた、腕の筋を伸ばして、皮膚を筋肉にくっつけるマッサージ。「うぐああ~」って、女性としてどうかと思う声がでるほど痛い。正直、入院中の治療で一番痛かった。


先生は気の毒そうな顔をするものの、「必要なことだから」と言うので、私もあっさり覚悟を決める。痛みに対する抵抗を捨てられるようになったのは、経験のたまものだ。

「はい力を抜いて~」と言われて、上半身を脱力。と、先生は私の左腕をサッと高速で振り上げる。

「パキッ」

筋が切れる音がした。腕を振り上げられたのは痛かったが、キレる瞬間はさほどでもない。緊張しすぎて弱い吐き気がする。終わると腕がずいぶん上がるようになった。小人は綱引きに負けたのだ。

おうちでも、よくマッサージや体操で稼働域を増やしてね、とのこと。じゃないと次回もまたやられるらしい。


その後は、術後1カ月目から始まる放射線治療の予約。乳房内に再発させないためだ。始まったら1カ月、連続して通う。放射線医と会うのは5/19となった。

あと、予想しなかったのは、ホルモン治療の開始が明日からとなったということ。副作用が出るのか、早めに確認したいと。いよいよ疑似更年期の始まりだ。

人間って未知の者に対して不安が起きる。私も今、不安だ。さんざん他の人のブログでも副作用の報告を見たし。でも副作用の無い人も多いというので、どうかそちら側でありますように。
気楽に・・・気楽に・・・ゆるーく脱力することを心がけていきたい・・・・

とはいえ帰りは爆走した。お迎えには、まず間に合わない。次から午前中の診療にしてもらわなきゃ!
それが今日の教訓だ。