とうとうマンモトーム生検の結果を聞く日がやってきた。「たぶん良性だよ」と自分を励ましながら、でも時に心配になって夢中でネット情報を見てしまう日々。見ても自分の癌は何も変わらないのにね…安心できる証拠が欲しくてサーフィンしてしまう。


朝9時に亀田京橋病院へ。
私の前には1人しかいない。シーンとした待合室。K先生の暖かな声がして診察室に呼ばれる。


「やっぱり悪いものは出なかったね。」
朝の挨拶もそこそこに、画面を見ながら先生が言う。ほー…胸の重石がやっと取れる。がん研でセカンド・オピニオンを受けてからの3週間、長かった…


「良性のしこりは経過観察にして、当初の予定通り脇に近いしこりだけを、切るのでいいと思うよ。」
二子玉川のH先生や、このK先生は「見た目」というのも大切だと考えているよう。できるだけ切らない方法を提案される。



切る部分が決まった今、「どこで」「誰に」切ってもらうのか。どうする?私が大切にしているのは何?

K先生によると、
・ 亀田病院で切る場合は、千葉県鴨川にある本院になる。事前のCTも本院でする。また執刀は別の先生になる。術後フォローは東京で行える。

亀田病院は、差額ベッド代が発生する部屋しか無い。それはお金がかかるが快適ということでもある。遠いのが1番のデメリットだ。

・ 6月末までは、赤羽橋の済生会中央病院に在籍しているので、そちらでも手術できる。術後フォローや放射線治療もそちらでやる。7月からは京橋亀田クリニックに転院してくれば良い。

ただ申し訳ないけど旧館だから古いし、大部屋だけなんだ、と申し訳なさそうに先生が言う。その場で2人で済生会中央病院のHPを見る。確かに旧館は…だ。



「二つの病院で手術の方法は違うんでしょうか?」と質問してみる。私は帝王切開で出産している。その時、病院で教えられたのは、医師によって「術式」は違うということ。医療は日々進化している。体に負担の無い技術が開発されていってるし、どのような技術を持っているのか、病院ごとでなく医師によって違う。


「そうだね、あまり変わらない…と思うよ。どちらも内視鏡でやるんだ。ただ、亀田病院は、穴を二つ開けるのに対して、僕は一つだ。できるだけ傷は少ない方がいいと考えてて、3年前から実施している。」


内視鏡手術というだけで日本では先進なのに、先生はその先に挑戦しているんだ。


世の中にはどれだけ初期で発見しても、癌のタイプ、できた場所で全摘を選ばなければならない人がいる。それはこの3週間で乳がんの先輩に会ったり話して実感した事実だ。たとえステージ0でも…全て切る…その気持ちは、想像できない悔しさだったろうと思う。
だから正直「美しさ」にはそこまでこだわってない。残るだけで満足だ。ただ……私が先生の話から感じたのは、この乳がんという病気に対する「情熱」だった。


「先生に執刀してもらいたいです。済生会中央病院でお願いします。」

私が下した決断。
4月に済生会中央病院でK先生に執刀してもらう。日付は未決定けどGW前には。


以前の大学病院の主治医は、「俺は火曜日に手術するから、金曜にしたい時は他の人に頼んであげるね!」と気軽に言ったもの。その言い方に「まるでコンビニみたい…」と感じてた。そのやり方は私には合わない…命を預ける人は、自分で選びたい。


まだ手術までにCT検査が残ってる。脳、肺、骨、肝臓に転移が無いか調べる。これは大学病院でMRIで終了していると思っていたもの。なんていう説明不足。不安はあるけど…乗り越えていきたいと思う。