パーソナルコーチ「はる」の、乳ガンとともに生きる日々

コーチが「がん」になったらどう変わっていくんだろう?

ニックネーム はる
名前 北條良子(ほうじょうりょうこ)
職業 パーソナルコーチ、研修講師。
資格 米国CTI認定 Certified Professional Co-Active Coach (CPCC)
HP  http://ryo-ko.net


2014年1月に乳がん告知を受け、4月に温存手術を受けました。現在はホルモン治療中です。癌告知をされた時は、やっぱり頭に死がよぎりました。元気になったいま、残された命を、同じように病気で悩んでいる人のために使うことを決めました。

あなたは乳がんを経験して、これからどう生きたいですか?
コーチングという対話を使って、自分の中の答えを見つけませんか?

神奈川県在住。小学生男児、1児の母。




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2014年06月

今日のK先生との診察が、済生会中央病院での最後の診察。先生は今月末で亀田京橋クリニックに転院する。それに私もついていく。


犬は人になつく。猫は家にいつく。

患者は医師についていく。

そんな言葉を作ってみたくなる。


「こないだリュープリンを打ったけど、どうだった?何か副作用とか…」

久しぶりに会ったK先生。

よく聞く副作用が、ホットフラッシュだけど幸いにもそれはない。ただ…お腹や背中がとっても痒い!
赤い発疹みたいなのもできる。夜中、気づくと体をかきむしっている。


「先生、蕁麻疹ができまして。すごくかゆいです」
「うーん、薬に入っているもので、たまにアレルギーになる人がいるんだよね。次は9月に打つから、またなったら1ヶ月製剤に変えようか」


1ヶ月おきに注射を打ちに行くのはとてもめんどくさい。そんなことを内心思いながら「はい」と返答。


「たまに更年期障害みたいになる人もいるんだけど、ならなかったんだね」
「そうなんですよー!大丈夫でした!ところで、生理が来ちゃったんですけど、いつから止まるんですか?」

逃れられないと思っていた副作用。急に浮かれた気持ちが湧いてくる。


「今月来たら、来月はこないね。副作用は、今から2、3週間後に始まるかな?」


ビックリである。ま、まだだったのかぁー!
えーーー、っていう私の顔を見て、「あ、ならない人の方が多いから」とあわてて先生はフォロー。


ちょっとショックな出来事だった。


薬のきき方、なんかは本当に患者には知識が無い。先生、忙しいのはわかるけど、もうちょっと丁寧にお願いします。



「他には?」って聞かれて気を取り直す。
「リュープリンが高くてすっごくビックリしたんですけど、保険がきいてあの値段なんですか?」


注射1本で驚異の2万越え。がん治療の厳しさを実感した出来事だった。


「そうなんだよ、保険はきいてるんだ。まだ後発薬が開発されてなくて。それでその値段なんだよ。ちなみに…1ヶ月製剤に変えると、もう少し高くなる」


かゆみと戦う決心が改めてつく。これ以上はきつい。


聞きたいことは聞けて、京橋亀田病院の紹介状をもらって。サクサクと事は進んでいく。次に先生に会うのは9月。


少し、涼しくなっている頃かな。

放射線治療も終わって、私はどんな私になっているだろ。

乳がんのこと、少し忘れるようになっているかも。


どんなことをしているのかは、まだ想像ができないけど、明るい顔で過ごせているといい。

もらった命、せっかくだから楽しめているといい。
















何でも書いてみるもんだなー、と思う。

困っている人を見るとほっておけない人というのがいるらしい。医療費が高額で困ってる、っていう投稿に、いくつか反応が来た。私だけではもったいないので、シェア。

・放射線治療でも任意の医療保険の支給対象になる場合がある

ブログを読んだ保険の担当者から連絡があって、「手術給付金の対象になる可能性がある」とのこと。現在、申請を準備中。

・大学時代の友人から。
「高額療養費の償還を受けている月が4ヶ月目から、上限が44400円くらいになるよ、」と。いや、確かに毎月8万円が自腹というのは、痛い。うちは夫がいて何とか…なので、一人世帯の人は本当に大変だろう。

・私の経験から
高額療養費の申請をしようと、会社の健康保険組合に問い合わせたところ、「待っていればこちらで(勝手に)手続きしますよ」、とのこと。4月の入院費は早ければ7月に給料の口座に振込されるらしい。手続きが必要な会社の方が多いみたいだから、ありがたい話。でもちょっと拍子抜け。それにしても3ヶ月もかかるのね。


見れなかったけど、先日のNHKの報道で、「働きながらガン治療」している人は、32万人もいるらしい。

抗ガン剤の副作用がだいぶマシになって、働くこともできるようになった、っていう面もあると思う。

働くと、気持ちが紛れたり、人とのつながりを感じて、病気の不安が薄れるっていうメリットも。

でも…高額な医療費を稼がなきゃ、っていう現実的な面も。休んでなんかいられない。うちも夫がいなければ、減っていく貯金を見ながら、不安に苛まれていただろうと思う。


そもそも休んだら、首になるかもしれないし。


休む、働く…が自由に選べる。
思い立ったら社会復帰がすぐにできる。
それが1番いいと思う。それは健康な人にとっても安心を感じる社会であるはずだ。

6/19(金)で放射線治療の12回目が終了!
もう少しで折り返し地点。くー…終わる日が待ち遠しい。

ちなみに今日はサッカーワールドカップの日本対ギリシャの日。

グローバル企業で働いてる友人が、「試合がある時間は、ブラジル人、電話会議に出てこない!」って、言ってたけど、今日は技師のみなさんも試合が気になるみたいで、待合室のテレビの前に釘付け。

私の治療は、時間より前倒しでやってくれるのが常だけど、まあ今日くらいえぇかー、と試合終了してからの治療になった。

私はさほどサッカーに関心が無いから、みんながそんなに熱中している様子がかえって面白い。


12日間の治療が終了して、どんな感じかというと、左乳房は日焼けをしたように真っ赤になっている。

少し皮膚が痛いときもあるけど、そんな時はアイスノンを抱いていると、落ち着いてくる。

どれくらい痛むのかは、個人差があるみたいなので、残りの日数をこなすと、どうなるのかドキドキしている。

それ以外に副作用は今のところ無い。



後、こうやって振り返っていて、重要なことを忘れていたのに気がついた。



治療を受けるとき、「ガンいなくなれ〜!」とか、「治れ〜!」とか、そういう願いや念を、何にも込めていなかったな、って今更ながら。

結構、「思い」って重要なんじゃないか、って思ってる。


でも…
満員電車に揺られて疲れた体を台に横たえると…

2秒で意識が無くなるんである。

のび太、とタメをはれる睡眠導入時間。

ちなみにのび太は、枕を宙に投げて、地面に落ちるまでの間に、眠れるのだ。



「男性に囲まれて恥ずかしい」って言ってたのは、一体どの口か…


来週は、がんばって、元気になることを願ってから眠りに落ちよう。(やっぱ寝るんかい!!)

「始まりました」シリーズの第三弾。


6/5から放射線治療が始まっている。


ほんとはもっと早くに始めてもいいものらしいけど、放射線治療のネックは、「毎日通わないといけない」こと。

5月いっぱいはコーチングの研修もあって、半日出勤は難しかったので、6月からの開始にずらしてもらった。


やってみて感じるのは…放射線治療、地味にきつい!すいません、舐めてました!!ってこと。

【きつい理由】

①家から病院のある赤羽橋、終わってから会社がある品川シーサイドまでの通勤がきつい。

放射線治療は毎日9時からなので、通勤ラッシュに揉まれながら都心へ。今日は腰にあまりに硬いものが当たるので、痛くて痛くて…途中から「私、実は人間じゃなくてコンニャクなの。コンニャクは柔らかいから大丈夫よー。」と思い込もうとした。

やっと病院について診察が終わったら、そのあとぐるっとまわって臨海部へ。移動だけで体力使う。



医師優先で選んだ自分が原因だけど…でも疲れるものは疲れる!21:30頃に寝ちゃう時もある。


②男性に囲まれる治療。

放射線は技師が3人がかり。全員が男性。男の人3人に囲まれて上半身素っ裸にどうしても抵抗感を感じる。

現在の私は落書きウーマン。放射線を当てる目印が、体中にマジックで描かれてる。一番ヤなのは、ベッドで横たわって、3人がかりでマジックで塗り塗りされている時だ。

1人でいいでしょ、と思うけど、時間を短縮させたり、相談しながら進めるために複数っぽい。

③お金

とてもお金がかかる。最初にCTを撮って6000円。
その後、放射線を当てるたびに毎日6000円から8000円。プラス交通費。私は30回当てる予定だから、総額20数万円の予定。毎日、お財布から万札が消えていくと、なんだか怖い気持ちが湧いてくる。

とは言っても高額療養費制度って、後から月間8万円以上のお金が戻ってくる仕組みを使う。ということは、6/5なんて中途半端な日付じゃなくて、もっと月初から治療を始めた方が、たくさん返ってきたのかしら…(来月は8万円には届かない予定)

このあたりの仕組みは本当にわからない。。。


とにかくこの治療、早めに終わって欲しい気持ちがヒシヒシとしている。

女性にとって、いや、男性にとってもお腹の肉をつままれるというのは、結構な屈辱じゃないのか…

リュープリンの注射をされる時、軽々とつままれた自分のお腹を思い出しながら、考える。


とうとう6/3からリュープリンを打ち、生理を止めることになった。お腹に皮下注射するのだ。

あんまり気が進まない顔をする私に「嫌なら次でもいいよ」なんて、K先生は甘い顔をする。

もちろん生理を止めるということには、抵抗があったけど、もうその覚悟はできた。問題は……その注射がとっても痛い、っていう噂。6、7年前の闘病記を読むと、かなり迫力がある。


「うう〜、ホッチキスみたいな針をお腹にドスンってやるって本当ですか?麻酔、しないんですか?」って情けない声で聞いてしまった。

麻酔を打ってから、っていう病院もあるみたい。


K先生は、一瞬戸惑った顔をしたけど「最近、針が進歩してねぇー、細くなってずいぶん痛くなくなったよ。ちょっとチクっとするくらいだよ。」

その情報、初耳である。

「えっ、ホントですか⁈」
「ホントだよ」
「じゃあ、やります」

即決して、お腹の肉をつままれた。

結果は……本当に痛くない!
薬剤がちょっと沁みるくらい。
想像してた1/100。いつも心配しすぎて損したな、って思うけど、今回も。

治療はドンドン楽になってるし、自分は乗り越えられる強さを持っている。もう1回、確認できた。


ホットフラッシュや更年期鬱といった重めの副作用もなく、大丈夫。あるとすれば…全身のかゆみ。小さな発疹がお腹や背中にできて、それがかゆい。リュープリンの説明書を見ると、副作用に「掻痒感」とあるけど、確実なつながりはわからない。でも痛い、とか、不快、よりはずいぶん良い気がする。


あぁ、でも痛いことが一つだけあった!
それは…値段!リュープリン1本で2万円!
これを3ヶ月に1回。最低2年。本当に痛い…


でも、この時、私はまだガン治療にとってもお金がかかることを、全然理解してなかったんである。

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